BiSHが解散する理由はただひとつ
BiSHが解散する理由は明白である。
理由は一つ
- 作曲を一手に引き受けている"松隈ケンタ"の才能が枯渇し、良曲が書けなくなったことが原因である。
2020年のアルバムLETTERSを聞いたときは一瞬耳を疑った。
名曲揃いのはずのBiSHのアルバムが、どうしてこんなことになったのかと。
コロナで活動が制限されていたせいでこういうことになったのであろうと、2020年時点では半分疑いながらも、まだ期待を続けることができた。
というのは、アユニのソロプロジェクトPEDROが2020年に発表した衝動人間倶楽部を聞く限りでは、これについても全曲作曲をしている松隈ケンタがこれからも良曲を書くであろうことは十分期待できたからである。
このミニアルバムに入っている「感傷謳歌」は歌詞も良い。
アユニの作詞である。
歌詞二番の「午前3時過ぎのセンチメンタル暴動」というフレーズには、感嘆する。
ちなみに、このミニアルバムの初期版には、予告なしでPEDROのファーストシングル来ないでワールドエンドがついていて、嬉しいサプライズだった。
しかし1年後、期待はみごとに裏切られた。
2021年リリースのGOiNG TO DESTRUCTiONは、評価しようのない駄作揃いのアルバムである。
制作意図は何であるのか、まったくもってわからない。
2019年をピークとするBiSHの名曲たち
思えばBiSHのピークは2019年だった。
お笑い芸人がBiSH好きを熱く語った、2019年10月10日のアメトーーク!「〜クセがすごい女性グループ〜 BiSHドハマり芸人」がその象徴であろう。
そこにいたるまでの名曲の数々をYouTubeでたどってみよう。
- 2016年9月 オーケストラ
- 2017年3月 プロミスザスター
- 2017年11月 My landscape
- 2018年6月 NON TiE-UP
- 2019年10月 KiND PEOPLE
BiSHがアリーナクラスのグループになれた理由
2016年~2019年の、綺羅星の如く輝く上記楽曲群に魅了されて、ファンになった人は相当数いると思われる。
BiSHについては、さほど強力なプロモーションは展開されておらず、際立って人気のあるメンバーがいるわけでもなく、人気が出た要因はひとえに楽曲が良いことにつきる。
人気が出たところに、アイドルグループ好きの層が加わり、アリーナを観客で埋めることのできるグループとなった。
アピールポイントの消滅
BiSH最大のアピールポイントである楽曲の水準の高さが失われてから2年が経過。
松隈ケンタの作曲能力が戻ってくることが望めない状況下、先細りしていくばかりであり、解散の選択肢しかなくなってしまった。
楽曲の水準が保てなくなったことだけで話を終わらせるつもりであったが、以下も書いておく。
所属事務所はあと1年メンバーを鞭打って、解散商法で稼ぐことを考えている。
解散商法をメンバーに強いるのは、この事務所ならではのことで、メンバーに対する優しさが欠けている。
2020年にも所属事務所は話題作りのためにBiSHメンバーにUber Eatsの配達員をさせ、メンバーは文句も言わずに自転車で配達を行った。
あきれて言葉が出なかった。パンクバンドらしからぬ従順な女の子たちである。
それとも事務所代表が、よほど完璧に支配に成功しているのか。
BiSHが果たした役割
可愛さでアピールするわけではない変わったコンセプトのアイドルグループ成功例として、BiSHは位置づけられるのであろう。
しかしそれでは欅坂とあまり変わらない。
BiSHが果たした役割として大きなものは、「アユニ」の成長装置としての役割である。
BiSH解散後も、ミュージシャンとしてやっていけるのはアユニだけであると思われる。
アイナはBiSHを特徴づけた存在で歌唱も頭抜けていたが、BiSHだからこそ輝けた。
BiSH解散後、音楽活動を継続したとしてもハスキーボイスの地味な歌手というポジションにとどまるであろう。
BiSH加入当初のアユニはアニメ声で、プロデューサー松隈ケンタは声の活かし方に悩んだが、あるときふと思いついて布袋寅泰の歌唱のマネをさせてみたところ、これが見事にハマる。
高音の目まぐるしいメロディーを連呼する難度の高い歌唱法はもともと会得していたが、これに布袋流ロック歌唱法が組み合わされることで、唯一無二のアユニの歌唱法(アユニ節)が生まれた。
また、初期のアユニはロックの知識を持ち合わせていなかったが、PEDROでバンド活動することにより知識補完に成功。
そして今年になって、才能の枯渇した松隈ケンタをはなれ、音楽プロデューサーくじらのもとで、歌い手プロジェクト"青虫"を開始した。
11月3日リリースのミニアルバム103号を聞いてみると、PEDRO時代のロックとは異なる世界が広がっており、また新境地が開拓されている。
収録曲記憶の部屋(作詞作曲くじら)の冒頭歌詞は
「君と住む予定だったあの部屋は もうどこかの誰かが僕らの代わりに幸せに暮らしていると 聴きました」
と、いかにもアユニ風で微笑ましい。
まとめ
- BiSHのほぼ全作の作曲を担当している松隈ケンタが、水準を満たす曲作りができなくなった。
- BiSH最大のアピールポイントである高水準楽曲の提供見込みが無くなったことから、グループの将来についての選択肢は、解散しかなくなった。
- BiSHが果たした役割として大きなものは、「アユニ」の成長装置としての役割である。