診断士2次

2021年度中小企業診断士 口述試験想定問答 事例Ⅰ

2022年1月3日

2021年度中小企業診断士2次試験 事例Ⅰ

親族内承継のメリット・デメリット

Q:A社は家族経営の印刷会社で、代々、親族内承継を行っている。親族内承継のメリットとデメリットを述べよ。

親族内承継のメリット
  • 経営者自身がよく知る人物への承継なので、会社がもつノウハウ・技術や企業風土が維持されやすい。
  • 後継者への承継を、早いうちから開始できる。
  • 取引先との関係を維持しやすい。
親族内承継のデメリット
  • 適任となる人材が出てこない恐れがある。
  • 候補の人材が複数出てきた場合、後継者選びで、親族内にあつれきが生じる可能性がある。
  • 親族ではない優秀な社員が不満をもち、モチベーションが下がる可能性がある。

ファブレス化のメリット・デメリット

Q:A社は技術革新による経営環境の変化から、ファブレス化した。ファブレス化のメリットとデメリットを述べよ。

ファブレス化のメリット
  • 生産設備を保有しないので、過剰な設備投資を行うリスクを避けることができる。
  • 自社が保有しない専門技術を利用できる。
  • 限られた経営資源を、自社が強みとする分野に集中させることができる。
ファブレス化のデメリット
  • 印刷のノウハウ・技術を自社に蓄積できない。
  • 委託により、外注管理の手間がかかる(対策として、外注の監督をするための管理チームを立ち上げる)。
  • 委託による情報漏えいリスクを考慮する必要がある。

ファブレス化後、高精度な印刷需要を獲得できた理由

Q:A社は、ファブレス化した後、どのような強みを発揮して、高精度な印刷の需要を獲得したと考えられるか。

どのような強みを発揮したか
  • A社は、デザイン・製版・印刷・製本までの全工程を一括受注。
  • A社は、仕様を決定して、印刷・製本・加飾などの各工程において協力企業を手配して指示を行う。
  • 協力企業は、製版や印刷工程において版式の違いに応じて専門特化しており、A社外部のサプライチェーンネットワークを構成している。
  • こうして顧客の細かいニーズに対応できる分業体制が構築できたことにより、多工程にわたり高品質・高精度な印刷を必要とする美術印刷の分野で需要を獲得できた。

3代目をデザイン部門の統括にした理由

Q:A社での経験のない3代目をデザイン部門の統括にしたのはなぜか。

理由
  • 親族内承継が念頭にあり、マネジメント経験を積ませようとした。
  • 3代目に、A社社風を理解させ、社員との交流が図られるようにした(将来的に社長を任せることになった際にも、社内のあつれきが大きくならないようにするため)。
  • 前職の広告代理店勤務時の人脈をA社で活用できると考えた。
  • 新リーダーの登用で、組織文化が変革されることを期待した。

事業ドメイン拡大のメリット・デメリット

Q:事業ドメインを拡大することによるメリットとデメリットを述べよ。

事業ドメイン拡大のメリット
  • 売上が拡大する
  • リスクを分散できる
事業ドメイン拡大のデメリット
  • 経営資源が分散する

競合が多い分野へ事業ドメインを拡大する際の戦略・対応策

Q:すでに数多くの競合他社がいる競争環境へ事業ドメインを拡大した場合、どのような戦略や対応策が効果的か。

戦略
  • 既存の競合他社と明確に差別化する。
対応策
  • 3代目の人脈を生かして採用したウェブデザイナーをoff-JTに参加させることで、競合にはないデザイン力の育成を図る。
  • 顧客の困りごと・ニーズを汲み取り解決する提案力の育成を図る。

事業案件ごとにプロジェクトチームを編成することのメリット・デメリット

Q:事業案件ごとにプロジェクトチームを編成することのメリットとデメリットを述べよ。

メリット
  • 最適な専門性をもつメンバーでチームを編成することができる。
  • プロジェクトマネージャーを中心として、迅速な判断を行うことができる。
デメリット
  • 得られたノウハウが蓄積されにくい。
  • プロジェクト遂行がメインとなり、企業としての目標達成がおろそかになる可能性がある。

3代目が全社を率いる上での長期的課題

Q:3代目が全社を率いる上での長期的課題を述べよ。

長期的課題
  1. 営業力を強化すること‥広告制作業の売上が向上して事業ドメインが多角化し、経営安定化の効果が得られる。
  2. 部門間のシナジーを働かせること‥既存事業と新規事業でそれぞれにコンサルティングやサプライチェーン管理が行われている。同じ機能が分散して動いており、共有が可能と思われる。部門間のシナジーを働かせ、デザイン部門が保有する高精度なデザインスキルと、印刷部門が保有するコンサルティング・サプライチェーン管理ノウハウを、A社全体で活用する。

長期的課題に対しての組織構造・組織行動・人事施策上の解決策

Q:3代目が全社を率いる上での長期的課題に対する、組織構造・組織行動・人事施策上の解決策を述べよ。

組織構造上の解決策
  • 営業活動についても、外部企業を活用する
  • 部門間交流を促進し、両部門の強みの相乗効果が発揮されるようにする。
組織行動上の解決策
  • これまで実施してこなかった営業活動に対して、3代目が自らリーダーシップをとり注力する。
  • 両部門に対し新たな目標を提示し、A社全体の一体感を醸成する。
人事施策上の解決策
  • 新規顧客開拓に向け、営業担当者の育成・配置を行う。
  • 3代目は社長として、デザイン部門統括を離れ、2部門を俯瞰して見ていく必要がある。そのためデザイン部門統括を行う優秀な人材の採用・育成を行う。
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NISHIBIZ

・JDLA G検定 2021 #3 合格者
・令和3年度 中小企業診断修得者
記事は資格取得情報(ディープラーニング検定と中小企業診断士試験)他、
エンタメ(音楽・アニメ・テレビ)と時事/雑学。
Apple Musicを愛用。NISHIBIZでプレイリスト「私的ベスト」検索。
音楽の嗜好はエレクトロ/エモ

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